ホスファチジルセリンと特異的に結合するポリペプチド及びこれの用途
专利摘要:
本発明はホスファチジルセリンと特異的に結合するポリペプチド及びこれの用途に関するものにして、より詳細には配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有し、ホスファチジルセリンと特異的に結合するポリペプチド、これのホスファチジルセリン検出用途、これを利用するホスファチジルセリンの検出方法、これの死滅細胞検出用途、これの薬物伝達用途、これの腫瘍性疾患治療用途、腫瘍性疾患部位の映像化用途等に関するものである。本発明の配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドはホスファチジルセリンと特異的に結合できる。従って、本発明のペプチドはホスファチジルセリンの検出、さらには、ホスファチジルセリンを細胞表面で発現する死滅細胞及び腫瘍細胞の検出又は映像化等に多様に使用し得る。 公开号:JP2011515075A 申请号:JP2010547569 申请日:2009-02-25 公开日:2011-05-19 发明作者:ビョンホン イ;インサン キム;タパ ナレンドラ 申请人:キョンブク ナショナル ユニバーシティ インダストリー−アカデミック コーオペレーション ファウンデーション; IPC主号:C12N15-09
专利说明:
[0001] 本発明はホスファチジルセリンと特異的に結合するポリペプチド及び用途に関するものにして、より詳細には配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有し、ホスファチジルセリンと特異的に結合するポリペプチド、これのホスファチジルセリン検出用途、これを利用するホスファチジルセリン検出方法、これの死滅細胞検出用途、これの薬物伝達用途、これの腫瘍性疾患治療用途、腫瘍性疾患部位の映像化用途等に関する。] 背景技術 [0002] ホスファチジルセリン(phosphatidyl serine,PS)は大食細胞が死滅細胞を認識して除去する重要な標識者である(Schlegel, R.A. et al., Cell Death and Differentiation, 2001, 8: 551-563; Lauber, K. et al., Mol Cell 2004, 14:277-287 Henson, P.M.et al., Curr Biol 2001, 11:R795-805 Grimsley, C.et al., TrendsCell Biol.2003, 13:648-656)。通常、ホスファチジルセリンは、細胞膜の内部に存在するものの、細胞が死滅信号を受けるか又は赤血球が老化すると、細胞膜の外部に露出され(Fadeel, B.et al., Cell Mol Life Sci, 2003, 60:2575-2585)、これを大食細胞が細胞表面の受容体を通じて認識して貪食作用を起こす(Fadok, V.A.et al., J immunol 1992, 148:2207-2216; Fadok, V.A.et al., Nature 2000, 405:85-90; Park, S.Y.et.al., Cell Death and Differentiation, in press)。] [0003] 死滅細胞以外にもホスファチジルセリンは、さらに、多様な病的状況においても、細胞膜の外部に露出される(Zwaal, R.F.A. et al.,Cell.Mol.Life Sci 2005, 62:971-988)。その例にスコット症候群(Scott syndrome)、抗燐脂質症候群(antiphospholipid syndrome)、鎌状赤血球貧血症(sickle cell anemia)、サラセミア(thalassemia)、ストマトサイトシス(stomatocytosis)、尿毒症(uremia)、腎臓結石(Kidney stone disease)、糖尿病(diabetes)、高血糖症(hyperglycemia)、ウィルス感染及び微生物感染、マラリア(malaria)、子癇前症(pre-eclampsia)、高ビリルビン血症(hyperbilirubinemia)、新生物腫瘍(neoplasia)等がある。特に、多くの腫瘍細胞等が、細胞膜の外部にホスファチジルセリンの発現増加を示し(Utsugi, T.et al., Cancer Res. 1991, 15:3062-3066; Rao, L. et al.,Thromb Res. 1992, 67:517-531; Sigimura, M.et al.,Fibrinolysis. 1994, 5:365-373; Ran, S.et al., Cancer Res. 2002, 62:6132-6140; Woehlecke, H.et al.,Biochem J.2003, 376:489-495)、これは未分化性発癌性細胞(undifferentiated tumorigenic cell)において、さらに顕著に現れる。腫瘍組織はさらに小血管を放出し、小血管はホスファチジルセリンを細胞膜の外部に露出する(Ran, S.et al.,Cancer Res. 2002, 62:6132-6140; Zwaal, R.F.A.et al., Blood.1997, 89:1121-1132)。] [0004] さらに、ホスファチジルセリンは多様な細胞内生理学的過程の中で非死滅細胞においてもやはり観察された。そのような例には血小板の活性化過程、筋肉細胞の融合過程、合胞体性栄養細胞(syncytiotrophoblast)の形成、肥満細胞(mast cells)のイムノグロブリン依存性刺激、及びT細胞の移動等がある(Fadeel,B. et al.,Cell Death Differ 2006,13:360-2 Ran,S.et al.,Int J Radiat Oncol Biol Phys 2002, 54:1479-84 Schlegel, R.A.et al., Cell Death Differ 2001, 8:551-63.)。その中に特に、血小板の活性化過程で発現されるホスファチジルセリンを遮断するこは、動脈硬化により形成され得る血栓形成(trombosis)過程を抑制することにより、その治療効果を表すこともできる(Cederholm,A.and Frosteg,J.,Ann N Y Acad Sci.2007, 1108:96-103 Cederholm,A.and Frosteg,J., Drug News Perspect.2007 20(5):321-6)。従って、このようなホスファチジルセリンの役割等により、特に腫瘍性及び炎症性疾患を始め、種々の状況において、ホスファチジルセリンは診断、治療、及び治療追跡のための標的物質として提示されている。] [0005] さらに、ホスファチジルセリンの認識を抑制すると、照射されたリンパ腫(irradiated lymphoma)において細胞免疫性(immunogenicity)を増加させると報告された(Bondanza, A. et al., J Exp Med 2004, 200:1157-65)。従って、ホスファチジルセリンに効果的に結合できる蛋白質は、死滅細胞のホスファチジルセリンの認識と免疫抑制性除去を妨げることにより、アポプトチック細胞基盤ワクチン(apoptotic cell-based vaccines)の効果を増大させることにも使用できるであろう。] [0006] ここに、本発明者等はホスファチジルセリンを標的化し得る新たな蛋白質又はその断片を探索するために研究した結果、配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドがホスファチジルセリンに特異的に結合し得ることを確認することにより、本発明を完成した。] [0007] 従って、本発明の目的はホスファチジルセリンに特異的に結合するポリペプチド及びこれの用途を提供することである。] [0008] 以上察した通り、本発明の配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドはホスファチジルセリンと特異的に結合し得る。従って、本発明のポリペプチドはホスファチジルセリンの検出、さらには、ホスファチジルセリンを細胞表面で発現する死滅細胞及び腫瘍細胞の検出又は映像化等に多様に使用できる。] 図面の簡単な説明 [0009] 図1はファージライブラリでホスファチジルセリンに特異的なファージを選別するために、その選別過程(A)、ホスファチジルセリン及びホスファチジルコリンでコーティングされたプレートの確認(B)、各選別段階におけるファージタイター(C)及び選別結果(D)を示したものである。(PC:ホスファチジルコリン、PS:ホスファチジルセリン) 図2は選別されたファージ及び対照群ファージライブラリのホスファチジルセリン(ファージタイター(A)、ファージELISA(B))及びホスファチジルセリンリポソームに対する結合特異性とアネキシンV処理に伴う結合阻害(D)を確認したものである。(Phage Lib,;ファージライブラリ(対照群)、CLSYYPSYC:本発明のペプチド配列) 図3は本発明のポリペプチドの死滅細胞に対する結合特異性(A.B.C)及び死滅細胞に付着されたファージのホスファチジルセリンに対する特異性(D)を確認したものである。(Normal:正常細胞群、Apoptotic:死滅細胞群、Con peptide:対照群ペプチド) 図4は死滅細胞に対する本発明のポリペプチドの結合特異性をFACS(A)、免疫組織化学法(B)及び共焦点顕微鏡(C)で確認したものである。 図5は腫瘍部位に対する本発明のポリペプチドの生体内(in vivo)誘導及び映像化(A)及び生体外(ex vivo)誘導及び映像化(B)結果を示したものである。 図6は腫瘍部位に対する本発明のポリペプチドの生体内(in vivo)誘導を凍結切片組織の腫瘍血管(A)及び死滅細胞(B)に対する免疫組織化学的染色を通じて確認したものである。] 図1 図2 図3 図4 図5 [0010] 前記のような目的を達成するために、本発明は配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有し、ホスファチジルセリン(phosphatidylserine)と特異的に結合するポリペプチドを提供する。 本発明の他の目的を達成するために、本発明は前記ポリペプチドを暗号化するポリヌクレオチドを提供する。 本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は前記ポリペプチドを有効成分として含むホスファチジルセリン検出用組成物を提供する。 本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明はホスファチジルセリン検出のための前記ポリペプチドの用途を提供する。 本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は前記ポリペプチドを試料と混合した後、未結合又は非特異的に結合されたポリペプチドを除去し、前記ポリペプチドと試料との結合可否及び位置を確認するホスファチジルセリンの検出方法を提供する。 本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は前記ポリペプチドを有効成分として含む死滅細胞(apoptotic cell)検出用組成物を提供する。 本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は死滅細胞(apoptotic cell)検出のための前記ポリペプチドの用途を提供する。 本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は前記ポリペプチドを有効成分として含む薬物伝達用組成物を提供する。 本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は薬物伝達のための前記ポリペプチドの用途を提供する。 本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は前記ポリペプチド及びこれと結合された抗腫瘍性疾患製剤を有効成分として含む腫瘍性疾患の予防及び治療用薬学的組成物を提供する。 本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は腫瘍性疾患治療剤の製造のための前記ポリペプチド及びこれと結合された抗腫瘍性疾患製剤の用途を提供する。 本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は前記ポリペプチドを有効成分として含む腫瘍性疾患部位の映像化用組成物を提供する。 本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は腫瘍性疾患部位の映像化のための前記ポリペプチドの用途を提供する。 本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は前記ポリペプチドを有効成分として含むスコット症候群等の疾患の診断用組成物を提供する。 本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明はスコット症候群等の疾患の診断のための前記ポリペプチドの用途を提供する。] [0011] 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明は配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドが、細胞表面に露出されるホスファチジルセリンと特異的に結合する点に着目して、配列番号1で表示されるアミノ酸を有する新たな配列のポリペプチドと、これの用途として前記ポリペプチドを含むホスファチジルセリン(phosphatidylserine)検出用組成物等を提供することを特徴とする。] [0012] 本発明のポリペプチドはホスファチジルセリンに特異的に結合し、配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを言う。本発明のペプチド断片は全ての種類のペプチド、ポリペプチド、蛋白質、ペプチド模造物、化合物及び生物製剤を含み、腫瘍細胞等の細胞の表面で発現されるホスファチジルセリンに特異的に結合し得る活性を有する。本発明のポリペプチドは天然から由来してもよいし、公知のペプチド合成方法を利用して合成してもよい。] [0013] 同時に本発明は本発明のポリペプチドを暗号化する塩基配列を有するポリヌクレオチドを提供する。] [0014] 同時に本発明は本発明のポリペプチドを暗号化する塩基配列を有するベクター及び前記ベクターに形質転換された形質転換体を提供する。] [0015] 本発明のベクターはプラスミドベクター、コスミドベクター、バクテリオファージベクター及びウィルスベクター等を含むものの、これに制限されない。本発明のベクターは通常のクローニングベクター又は発現ベクターでもよく、発現ベクターはプロモータ、オペレータ、開始コドン、終結コドン、ポリアデニル化シグナル及びインヘンサ(促進遺伝子)のような発現調節配列の他にも、膜標的化又は分泌のためのシグナル配列、又はリーダー配列を含み目的により多様に製造できる。さらに、前記ベクターはベクターを含有する宿主細胞を選択するために選択マーカーを含み、複製可能なベクターである場合複製、起源を含む。] [0016] 前記ベクターに形質転換することは、当業者に公知の形質転換技術により実施し得る。好ましくは、微細射出法(microprojectile bombardment)、電気衝撃遺伝子伝達法(electroporation)、リン酸カルシウム(CaPO4)沈殿、塩化カルシウム(CaCl2)沈殿、PEG-媒介融合法(PEG-mediated fusion)、微細注入法(microinjection)及びリポソム媒介法(liposome-mediated method)を利用することができ、前記形質転換体は大腸菌(Escherichia coli)、バシラスサブチリス(Bacillus subtilis)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、シュードモナス(Pseudomonas)、プロテウスミラビリス(Proteus mirabilis)、スタフィロコクス(Staphylococcus)、アグロバクテリウムチュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)であってもよいが、これに制限されるものではない。] [0017] 本発明者等はホスファチジルセリンに特異的に結合するものとして選別された、前記ポリペプチドの機能を確認するために多様な実験を実施した結果、本発明のペプチドが老化した細胞及び腫瘍細胞の表面で発現されるホスファチジルセリンを特異的に認識することにより、前記細胞の付着及び貪食を媒介するとの事実を確認した。さらに、本発明のペプチドが腫瘍細胞に特異的に結合してin vivo又はex vivoで腫瘍細胞確認及び映像化が可能であることが分った。従って、本発明のペプチドをホスファチジルセリンの検出用組成物として利用し得ることが分かり、ひいては腫瘍組織内にホスファチジルセリンを認識する診断又は治療追跡用製剤,又は別途の腫瘍治療用製剤と共に、腫瘍性疾患予防及び治療用薬学的組成物等として使用し得ることが分った。] [0018] より具体的に本発明の一実施例では商用のM13ファージライブラリを利用してホスファチジルセリンと特異的に結合するファージをスクリーニングした。その結果、総4ラウンドのスクリーニングを通じてホスファチジルセリンと特異的に結合するファージをスクリーニングすることができ、この配列を分析した結果、CLSYYPSYCのアミノ酸共通配列を有するペプチドが主に選別されたことが分った。] [0019] さらに、本発明の他の実施例では選別されたファージのホスファチジルセリンに対する結合特異性を確認した。その結果、対照群ファージはホスファチジルコリン又はホスファチジルセリンとは殆ど結合しないのに比べて、選別されたファージはホスファチジルセリンに特異的に結合することが分った。同時に選別されたホスファチジルセリンリポソムにも特異的に結合し、アネキシンVの処理によりホスファチジルセリンとの結合が阻害されることが分った。] [0020] 同時に本発明のさらに他の実施例では選別されたファージクロン又は本発明のペプチドが死滅細胞と特異的に結合するか否かを確認した。その結果、選別されたファージクローン及び本発明のペプチドが死滅細胞に露出されたホスファチジルセリンと容易に結合することが分った。] [0021] 本発明のさらに他の実施例では本発明のペプチドが移植された腫瘍部位に誘導され、これを映像化できるか否かを確認した。その結果、本発明のペプチドが処理した群では腫瘍組織に本発明のペプチドが誘導され、これを標識を通じて確認することができた。] [0022] 結論的に、本発明のポリペプチドがホスファチジルセリンと特異的に結合して生体内で死滅細胞及び腫瘍細胞の認識と貪食をし得ることが分った。] [0023] 参考に、前記にて言及したヌクレオチド及び蛋白質作業には下記の文献を参照できる。(Maniatis et al., Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y.(1982); Sambrook et al., Molecular Cloning:A Laboratory Manual, 2d Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989); Deutscher, M., Guide to Protein Purification MethodsEnzymology, vol.182.Academic Press. Inc., San Diego, CA(1990))。] [0024] 従って、本発明の配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有する本発明のポリペプチドを有効成分として含むホスファチジルセリン(phosphatidylserine)検出用組成物を提供する。] [0025] さらに、本発明はホスファチジルセリン検出のための配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有する本発明のポリペプチドの用途を提供する。] [0026] 同時に、本発明のポリペプチドはホスファチジルセリンと特異的に結合することにより本発明は、 (a)本発明のポリペプチドを試料と混合する段階; (b)未結合又は非特異的に結合された前記ポリペプチドを除去する段階; (c)前記ポリペプチドの結合可否及び位置を確認する段階を含むホスファチジルセリンの検出方法を提供する。] [0027] 本発明のポリペプチドの結合可否の確認、検出及び定量を容易にするために、本発明のポリペプチドは標識された状態で提供できる。つまり、検出可能な標識にリンク(例:共有結合又は架橋)されて提供され得る。前記検出可能な標識は発色酵素(例:ポオックシダゼ,アルカリラインフォスファターゼ)放射性同位元素(例:125I,32P,35S)、発色団(chromophore)、発光物質又は蛍光物質(例:FITC,RITC,蛍光蛋白質(GFP(Green Fluorescent Protein); EGFP(Enhanced Green Fluorescent Protein), RFP(Red Fluorescent Protein); DsRed(Discosoma sp. red fluorescent protein); CFP(Cyan Fluorescent Protein),CGFP(Cyan Green Fluorescent Protein), YFP(Yellow Fluorescent Protein), Cy3, Cy5及びCy7.5)常磁性粒子(super paramagnetic particles)又は超常磁性粒子(ultrasuper paramagnetic particles)の場合もあり得る。] [0028] 標識に伴う検出方法は当業界に公知であるが、例えば、次のような方法により実施し得る。検出可能な標識で蛍光物質を利用する場合には、免疫蛍光染色法を利用できる。例えば、蛍光物質で標識された本発明のポリペプチドを試料と反応させ、未結合又は非特異的な結合産物を除去した後、蛍光顕微鏡下でペプチドによる蛍光を観察できる。さらに、検出可能な標識で酵素を利用する場合には、酵素反応を通じた基質の発色反応により吸光度を測定し、放射線物質の場合には放射線放出量を測定することにより実施し得る。] [0029] さらに、本発明のポリペプチドは、ホスファチジルセリンを細胞表面に露出する細胞と特異的に結合することができ、腫瘍細胞においてホスファチジルセリンが細胞膜に露出されるので、本発明は本発明のポリペプチドを有効成分として含む死滅細胞(apoptotic cell)検出用組成物を提供する。同時に、本発明は死滅細胞検出のための本発明のポリペプチドの用途を提供する。前記にて死滅細胞の検出はこれに限定はされないもの、例えば、前記ホスファチジルセリンの検出時の方法を利用することができ、前記記載の通り、本発明のポリペプチドの結合可否の確認、検出及び定量を容易にするために、本発明のポリペプチドは標識された状態で提供され得る。検出された結果は、検出標識に伴う公知の映像化方法より映像化もできる。] [0030] さらに、本発明のポリペプチドはホスファチジルセリンを細胞表面に露出する細胞と特異的に結合し得るので、薬物を前記細胞に選択的に伝達する知能型薬物伝達体として使用し得る。従って、本発明のポリペプチドを有効成分として含む薬物伝達用組成物を提供する。さらに、本発明は薬物伝達のための本発明のポリペプチドの用途を提供する。] [0031] 前記の通り、細胞膜の外部におけるホスファチジルセリンの発現増加は、黒色腫及び大腸癌細胞(Utsugi,T.et al., Cancer Res.1991, 15:3062-3066)、卵巣癌細胞(Rao,L.et al., Thromb Res.1992, 67:517-531),胃腸癌及び肝臓癌(Sugimura, M.et al., Blood Coagul.Fibrinolysis. 1994, 5:365-373; Woehlecke, H.et al., Biochem J. 2003, 376:489-495)、癌組織の内皮細胞(Ran,S.et al.,Cancer Res.2002,62:6132-6140)等種々の腫瘍細胞において現れ、これは未分化性発癌性細胞(undifferentiated tumorigenic cell)においてより顕著に現れる。腫瘍組織はさらに、ホスファチジルセリンを細胞膜の外部に露出する小血管を放出する(Ran,S.et al., Cancer Res.2002, 62:6132-6140; Zwaal, R.F.A.et al., Blood, 1997, 89:1121-1132)。] [0032] 従って、前記薬物伝達用組成物は腫瘍性疾患に特異的でもあり得る。腫瘍性疾患とは、悪性腫瘍により、病理的症状を呈する疾患にして、その例にはこれに限定はされないもの、大腸癌、肺癌、胃腸癌、食道癌、膵臓癌、胆嚢癌、腎臓癌、膀胱癌、前立腺癌、睾丸癌、子宮頸部癌、子宮内膜癌、絨毛癌、卵巣癌、乳房癌、甲状腺癌、脳癌、頭頚部癌、悪性黒色腫、皮膚癌、肝臓癌、白血病(leukemia)、リンパ腫(lymphoma)、複合骨髄腫(multiple myeloma)、慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia)、神経芽腫(neuroblastoma)、再生不良性貧血等が挙げられる。] [0033] 本発明の薬物伝達用組成物に含まれる本発明のポリペプチドを、従来抗腫瘍性疾患製剤と連結して治療に利用すれば、本発明のポリペプチドにより前記製剤が腫瘍細胞にのみに選択的に伝達されるので、薬の効力を増加させることができ、同時に正常組織に及ぼす副作用を著しく減らし得る。] [0034] 本発明のポリペプチドに連結し得る抗腫瘍性疾患製剤は従来腫瘍治療に使用されるのであれば制限無く使用し得る。例えば、パクリタキセル、トキソルビシン、ビンクリスチン、ダウノルビシン(daunorubicin)、ビンブラスチン(vinblastine)、アクチノマイシン-D(actinomycin-D)、ドセタキセル(docetaxel)、エトポサイド(etoposide)、テニポサイド(teniposide)、ビサントレン(bisantrene)、ホモハリントニン(homoharrigtonine)、グリーベック(Gleevec;STI-571)、シスプラチン(cisplatin)、5−フルオウラシル(5-fluouracil)、アドリアマイシン(adriamycin)、メトトレキセート(methotrexate)、ブソルパン(busulfan)、クロラムブシル(chlorambucil)、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、メルファラン(melphalan)、ニトロゲンムスタド(nitrogen mustard)、ニトロソウレア(nitrosourea)等がある。前記製剤と本発明のポリペプチドの連結は、当業界に公知の方法、例えば、共有結合、架橋等を通じて実施し得る。このため、本発明のペプチドは必要であればその活性が消失されない範囲で化学的に修飾(modification)してもよい。本発明の組成物に含まれる本発明のペプチドの量は、結合される抗癌剤の種類及び量により異なってもよい。] [0035] 一方、本発明は本発明のポリペプチド及びこれと結合された抗腫瘍性疾患製剤を有効成分として、腫瘍性疾患の予防及び治療用薬学的組成物を提供する。さらに、本発明は腫瘍性疾患治療剤の製造ための本発明のポリペプチド及びこれと結合された抗腫瘍性疾患製剤の用途を提供する。 この際、前記薬学的組成物において、抗腫瘍性疾患製剤、結合方法及び腫瘍性疾患に対しては前記にて記載した通りである。] [0036] 一方、本発明に伴う薬学的組成物は、前記ポリペプチドの純粋な形態又は薬学的に許容される担体と適切な形態で剤形化することにより提供でき得る。‘薬学的に許容される’とは、生理学的に許容され、かつ人間に投与される時、通常的に胃腸障害、眩気症等のようなアレルギー反応又はこれと類似した反応を起こさない非毒性の組成物を言う。前記担体では全ての種類の溶媒、分散媒質、水中油又は油中水エマルジョン、リポソーム、マイクロビド及びマイクロソームが含まれる。] [0037] 一方、本発明の薬学的組成物は、投与経路により適切な担体と共に剤形化し得る。前記本発明に伴う薬学的組成物の投与経路には、これに限定はされないものの、経口的又は非経口的に投与できる。非経口投与経路には、例えば、経皮、鼻腔、腹腔、筋肉、皮下又は静脈等の多様な経路が含まれる。] [0038] 本発明の薬学的組成物を経口投与する場合、本発明の薬学的組成物は適切な経口投与用担体と共に、当業界に公知の方法により、粉末、顆粒、錠剤、丸剤、糖衣錠剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、懸濁剤、ウェーハ等の形態で剤形化できる。適切な担体の例にはラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール及びマルチトール等を含む糖類とトウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉及び馬鈴薯澱粉等を含む澱粉類、セルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルーセルロース等を含むセルロース類、ゲラチン、ポリビニルピロリドン等のような充填剤が挙げられる。さらに、場合によっては、架橋結合ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸又はナトリウムアルギナネート等を崩解剤として添加してもよい。さらに、前記薬学的組成物は抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤等を追加して含んでもよい。] [0039] さらに、非経口的に投与する場合、本発明の薬学的組成物は適切な非経口用担体と共に、注射剤、経皮投与剤及び鼻腔吸込み剤の形態で当業界に公知の方法により、剤形化され得る。前記注射剤の場合には、必ず滅菌しなくてはならず、バクテリア及び眞菌のような微生物の汚染から保護されなければならない。注射剤の場合、結合された担体の例にはこれに限定はされないものの、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール等)、これらの混合物及び/又は植物油を含む溶媒又は分散媒質である。より好ましくは、適切な担体にはハンクス溶液、リンゲル溶液、トリエタノールアミンが含有されたPBS(phosphate buffered saline)又は注射用滅菌水、10%エタノール、40%プロピレングリコール及び5%デキストロースのような等張溶液等を使用し得る。前記注射剤を微生物汚染から保護するためには、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール等のような多様な抗菌剤及び抗眞菌剤を追加して含んでもよい。さらに、前記注射剤は大部分の場合、糖又はナトリウムクロライドのような等張化剤を追加して含んでもよい。] [0040] 経皮投与剤の場合、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、外用液剤、パスター剤、リニメント剤、エアロー剤等の形態が含まれる。前記にて経皮投与は薬学的組成物を局所的に皮膚に投与して薬学的組成物に含有された有効な量の活性成分が皮膚内に伝達されることを意味する。これらの剤形は製薬化学で公知の処方書の文献(Remington’s Pharmaceutical Science,15th Edition, 1975, Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvania)に記述されている。] [0041] 吸込み投与剤の場合、本発明により使用される化合物は適切な推進剤、例えば、ジクロロフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適切な気体を使用して、加圧パック又は煙霧器からエアロゾルスプレー形態で容易に伝達し得る。加圧エアロゾルの場合、投薬単位は計量された量を伝達する弁を提供して決定できる。例えば、吸込み器又は取込み器に使用されるゼラチンカプセル及びカートリッジは化合物及びラクトース又は澱粉のような適切な粉末基剤の粉末混合物を含有するように剤形化してもよい。] [0042] その他の薬学的に許容される担体は、次の文献に記載のものを用いてもよい(Remington’s Pharmaceutical Sciences,19th Edition, Mack Publishing Company, Easton, PA, 1995)。] [0043] さらに、本発明に伴う薬学的組成物は、一つ以上の緩衝剤(例えば、食塩水又はPBS)、カーボハイドレート(例えば、グルコース、マンノース、スクロース又はデキストラン)、安定化剤(亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム又はアスコルビン酸)抗酸化剤、静菌剤、キレート化剤(例えば、EDTA又はグルタチオン)、アジュバント(例えば、アルミニウムヒドロキシサイド)、懸濁剤、濃厚剤及び/又は保存剤(ベンズアルコニウムクロライド、メチル又はプロピルパラベン及びクロロブタノール)を追加して含め得る。] [0044] さらに、本発明の薬学的組成物は哺乳動物に投与された後、活性成分を迅速、連続的又は遅延して放出するように当業界に公知の方法を使用して剤形化できる。] [0045] 前記のような方法で剤形化された薬学的組成物は有効量で経口、経皮、皮下、静脈又は筋肉を含む多様な経路を通じて投与できる。前記にて‘有効量’とは、患者に投与した際、診断又は治療効果の追跡を可能にする化合物又は抽出物の量を言う。本発明に伴う薬学的組成物の投与量は、投与経路、投与対象、対象疾患及びこれの重症度、年齢、性別体重、個人差及び疾病状態によって適切に選択できる。好ましくは、本発明のポリペプチドを含む薬学的組成物は、疾患の程度によって有効成分の含量を調整してもよいが、通常的に成人を基準にした時、1回投与の際、10μg乃至10mgの有効容量で1日に複数回繰返して投与剤できる。] [0046] 同時に、本発明のポリペプチドはホスファチジルセリンと特異的に結合することにより、腫瘍性疾患の発病部位の映像化にも有用に使用できる。従って、本発明は前記ポリペプチドを有効成分として含む腫瘍性疾患部位の映像化用組成物を提供する。さらに、腫瘍性疾患部位の映像化のための、本発明のポリペプチドの用途を提供する。前記ポリペプチドは結合可否の確認、検出及び定量を容易にするために、標識された状態で提供し得るものの、これに対しては前記にて記述した通りである。] [0047] さらに、ホスファチジルセリンは前記腫瘍性疾患以外にも種々の病的な状況においても、細胞膜の外部に露出される(Zwaal,R.F.A.et al.,Cell.Mol.Life Sci.2005,62:971-988)。その例にスコット症候群、抗リン脂質症候群(antiphospholipid syndrome)、鎌状赤血球貧血症、サラセミア(thalathemia)、ストマトサイトシス(stomatocytosis)、尿毒症(uremia)、腎臓結石(Kidney stone disease)、糖尿病(diabctes)、高血糖症(hyperglycemia)、ウィルス感染及び微生物感染、マラリア(malaria)、子癇前症(pre-eclampsia)、高ビリルビン血症(hyperbilirubincmia)、新生物腫瘍(neoplasia)等がある。] [0048] 従って、本発明は本発明のポリペプチドを有効成分として含む、スコット症候群、抗燐脂質症候群、鎌状赤血球貧血症、サラセミア(thalassemia)、ストマトサイトシス(stomatocytosis)、尿毒症(uremia)、腎臓結石(Kidney stone disease)、糖尿病(diabctes)、高血糖症(hyperglycemia)、ウィルス感染及び微生物感染、マラリア(malaria)、子癇前症(pre-eclampsia)、高ビリルビン血症(hyperbilirubincmia)、新生物腫瘍(neoplasia)からなる群より選ばれた疾患の診断用組成物を提供できる。さらに、本発明はスコット症候群、抗リン脂質症候群(antiphospholipid syndrome)、鎌状赤血球貧血症、サラセミア(thalathemia)、ストマトサイトシス(stomatocytosis)、尿毒症(uremia)、腎臓結石(Kidney stone disease)、糖尿病(diabctes)、高血糖症(hyperglycemia)、ウィルス感染及び微生物感染、マラリア(malaria)、子癇前症(pre-eclampsia)、高ビリルビン血症(hyperbilirubincmia)、新生物腫瘍(neoplasia)からなる群より選ばれた疾患の診断のための本発明のポリペプチドの用途を提供する。] [0049] 以下、本発明を実施例により詳細に説明する。 ただし、下記実施例は本発明を例示したものであるのみ、本発明の内容が下記実施例に限定されるものではない。] [0050] <実施例1> 細胞培養及びプレートの製造 <1-1>細胞培養 本発明で使用されたH460及びH157人間肺癌細胞株及びU937白血病細胞株は抗生剤(ペニシリン及びストレプトマイシン)が添加された10%ウシ胎児血清(FBS,Fetal bovine serum)を含むRMPI 1640培地で培養し、3乃至4日毎に改代培養した。] [0051] <1-2>ホスファチジルコリン又はホスファチジルセリンでコーティングされたプレートの製造 ホスファチジルコリン又はホスファチジルセリンでコーティングされたプレート(又はウェル)を製造するために、先ず、ホスファチジルコリン又はホスファチジルセリンをエタノールに溶解させ、(3μg/ml,100)、96-ウェルイミューロン1Bマイクロタイタプレート(Immulon 1B microtiter plates,Thermo,Milford,MA,USA)に入れ、これを6時間空気中で乾燥した。非特異的結合を防止するために、10mg/mlのBSA(bovine serum albumin)を含むTBS(Tris-HCl 50 mM,pH7.4 NaCl 150mM)を入れて室温で1時間ブロッキング(blocking)した。前記の通り製造されたホスファチジルコリン又はホスファチジルセリンでコーティングされたプレートは次の通り、アネキシンV結合テスト(annexin V binding test)を通じて評価した後、コーティングが良くなされたものを使用した。] [0052] アネキシンVの結合のために、ヒスチジンが付着された組換えアネキシンV蛋白質(his-tagged recombinant annexin V protein(20μg/ml))を10mg/mlのBSAを含むTBSバッフアに溶解させ、ホスファチジルコリン又はホスファチジルセリンでコーティングされたELIBAプレートに入れ、その後、室温で1時間放置した。これをTBS-Tバッフアで3回洗浄し、結合されたアネキシンV蛋白質を前記の通り、HRPが結合されたマウス抗ヒスチジンIgG抗体(Santa Cruz Biotechnology)と反応させ、TBM基質で反応させて測定した。] [0053] その結果、図1B(ホスファチジルセリンでコーティングされたものをテストした結果)に示す通り、本発明で使用したプレートはアネキシンVとよく結合し、これに前記プレートのコーティングがよくなされたことが分った。コーティングされたプレートは以下の実験で使用された。] [0054] <実施例2> ホスファチジルセリンと結合するファージのスクリーニング <2-1>ホスファチジルセリン結合ファージのスクリーニング pIIIに融合された7-merランダムサイクリックペプチド(random cyclic peptides)を露出するM13ファージライブラリ(New England Biolabs,Ipswich,MA)を使用して次の通りホスファチジルセリンと結合するペプチドをスクリーニングした。] [0055] 10mg/mlのBSAを含むTBSバッフア(100μl)に2x1011プラク形成ユニット(plaque-forming units,pfu)を有する前記M13ファージライブラリ(phage library,10μl)をホスファチジルコリンでコーティングされたウェルに入れ、室温で静かにゆすりながら(gentle shaking)1時間放置した(subtraction step)。その後ホスファチジルコリンに付着するファージが除去された(subtracted)ファージライブラリをホスファチジルセリンでコーティングされたウェルに入れて、静かにゆすりながら1時間放置した。結合されていないか又は弱く結合されたファージを除去するために、これをTBS-T(TBS containing 0.05% Tween-20)バッファで少なくとも10回以上強く洗浄した(washing)。ホスファチジルセリンがコーティングされたウェルに結合したファージを、1mg/mlのBSAを含む100の0.2M glycine-HCl(pH 2.2)バッフアで、室温で10分間溶出した(elution)。溶出されたファージを即時1M Tris-HCl(pH 9.1)で中和し、製造社の指針に従い20mlのER2738バクテリア(New England Biolabs社)で増幅した(図1A参照)。] [0056] 増幅後、培養液の上澄液にあるファージをポリエチレングリコール/NaCl溶液で沈殿させ、タイター(titer)を測定した。タイターの測定はIPTGとX-galを含むLBプレートを使用し、37℃で一夜培養後青色コロニーの数を計数した。] [0057] 測定されたタイターを利用して1次的に選別されたファージを2X1011pfuに従って追加的選別(2次乃至4次)し、選別過程は前記と同様にした。] [0058] <2-2>ホスファチジルセリンに特異的なファージクロンの確認 前記実施例<2-1>でホスファチジルセリンに特異的なファージが濃縮(enrichment)されたか否かを確認するために、前記実施例<2-1>におけるそれぞれのラウンド(1次乃至4次)の選別の際、ホスファチジルコリンでコーティングされたウェルを含め、ホスファチジルコリン及びホスファチジルセリンでコーティングされたウェルからのファージタイターを相互比較した。 その結果、図1Cに示した通り、ホスファチジルセリンに特異的なペプチドが2次ラウンドから濃縮されたことが分った。] 図1C [0059] <2-3>ホスファチジルセリンに特異的なファージの選別 前記実施例<2-1>と同様に、全て4回の選別ラウンドを経て、ホスファチジルセリンに特異的なファージを選別し、選別されたファージクロンで単一鎖DNAを分離した。少なくとも30個以上のファージクロンでDNAを分離し、これの塩基配列を分析(sequencing)した。塩基配列分析結果を通じて得たアミノ酸配列をCLUSTAL Wプログラムで整列して共通するペプチド配列(consensus peptide sequence)を確認した。前記ペプチド配列と相同性が大きい蛋白質を確認するために、アドバンストBLASTサーチ(advanced BLAST search (EMBL/GenBank/DDBJ))を行った。] [0060] その結果、図1Dに示した通り、CLSYYPSYCのアミノ酸共通配列を有するペプチドが主に選別され、下記表1に記載した蛋白質は前記CLSYYPSYCのアミノ酸配列を有するペプチドと相同性が大きいヒト蛋白質である。] [0061] ] [0062] <実施例3> 選別されたファージのホスファチジルセリンに対する結合特異性確認 <3-1>ファージタイター測定を通じた結合特異性確認 選別されたファージクロンのホスファチジルセリンに対する結合特異性を下記の通りファージ結合テストを通じて測定した。] [0063] 選別されたファージクロン(1X109 pfu)及び増幅されたM13ファージライブラリ(対照群、1X109 pfu)を100TBSバッファに入れて前記実施例<1-2>で製造したホスファチジルコリン又はホスファチジルセリンでコーティングされたウェルに添加した。その後、これを静かにゆすりながら室温で1時間放置した(incubate)。これをTBS-T(TBS containing 0.05% Tween-20)バッファで10回強く洗浄した後、ウェルに結合したファージを、1mg/mlのBSAを含む100μlの0.2M glycine-HCl(pH 2.2)バッファで室温で10分間溶出した。溶出されたファージを即時1M Tris-HCl(pH 9.1)で中和してそれぞれの溶出されたファージのタイターを測定した。] [0064] その結果、図2Aに示した通り、対照群であるM13ファージライブラリは、ホスファチジルコリン又はホスファチジルセリンをコーティングされたウェルに殆ど結合しないのに比べて、本発明の選別されたファージクロンはホスファチジルセリンと強く結合することが分った。選別されたファージクロンはホスファチジルコリンにも一部結合するものの、ホスファチジルセリンとの結合に比べて約5%未満であり、ホスファチジルセリンと特異的に結合することが分った。] [0065] <3-2>ファージELISAを通じた結合特異性確認 選別されたファージクロンのホスファチジルセリンに対する結合特異性を次の通りファージELISAを通じて測定した。] [0066] これを簡略に説明すれば、イムロン1Bマイクロタイタープレート(Immulon 1B microtiter plates)を前記実施例<1-2>に記載した通り、ホスファチジルコリン又はホスファチジルセリンでコーティングした。その後、10mg/mlのBSAを含むTBS培地で室温で1時間ブロッキングした。] [0067] 選別されたファージクロンを100μlTBSバッフアに入れてホスファチジルコリン又はホスファチジルセリンでコーティングされたウェルに添加し、これを静かにゆすりながら室温で1時間放置した。増幅されたM13ファージライブラリ(1x109 pfu)は対照群に使用した。これをTBS-T(TBS containing 0.05% Tween-20)バッファで6回強く洗浄した後、ウェルに結合したファージをHRP(horserdish peroxidase)結合されたanti-M13 抗体(New England Biolabs)(dilution,1:4000 in TBS-T)と室温で1時間結合させて検出した。その後、HRP基質溶液(TMB,Pierce)で発色反応させた。発色反応は2N H2SO4を添加して中断させ、マイクロプレートリーダ(microplate reder,Bio-Rad,model 550)を利用して450nmで吸光度を測定した。] [0068] その結果、図2Bに示した通り、対照群M13ファージライブラリの場合、ホスファチジルセリンが殆ど検出されないのに比べて、選別されたファージライブラリの場合、ホスファチジルセリンと特異的に強く結合することを分った。] [0069] <3-3>ホスファチジルセリンリポソムに対する結合特異性確認 ホスファチジルセリンの代わりにホスファチジルセリンリポソムにも本発明のペプチドが結合特異性を有するか否かを調べるために、次のようにファージELISAをホスファチジルセリンリポソムでコーティングされたマイクロプレートで行った。] [0070] ホスファチジルコリン又はホスファチジルコリン/ホスファチジルセリンリポソム(50:50Mol.%)を製造するために、公知の方法(Oka, K.et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 95:9535-9540, 1998; Fadok, V.A.et al., Nature405:85-90, 2000)を利用して次のように製造した。より具体的に、クロロホルムでホスファチジルコリン又はホスファチジルセリン:ホスファチジルコリンをそれぞれ50:50のモル比率で混合した混合物を真空下で乾燥させ、TBSバッファで水化(hydrate)させ、氷の上で5乃至10分間超音波処理(sonication)した。] [0071] イムロン1Bマクロタイタープレートを4℃で1夜100μlのリポソム(20/ml)でコーティングした。10mg/mlのBSAを含むTBS培地で室温で1時間ブロッキングした後、選別されたファージクロンを100μl TBSバッファに入れて、コーティングされたウェルに添加し、これを静かにゆすりながら室温で1時間放置した。増幅されたM13ファージライブラリ(1x109 pfu)は対照群として使用した。これをTBS-T(TBS containing 0.05% Tween-20)バッフアで6回強く洗浄した後、ウェルに結合したファージをHRP(horseradish peroxidase)結合されたanti-M13抗体と室温で1時間結合させて検出した。その後、HRP基質溶液(TMB, pierce)で発色反応をさせた。発色反応は2N H2SO4を添加して中断させ、マイクロプレートリーダ(microplate reader,Bio-Rad,Model 550)を利用して450nmで吸光度を測定した。] [0072] その結果、図2Cに示した通り、対照群であるM13ファージライブラリの場合、ホスファチジルセリンが殆ど検出されないのに比べて選別されたファージライブラリの場合、ホスファチジルセリンと特異的に強く結合することが分かり、これは実施例<3-2>の結果と同一なものであった。] [0073] <3-4>アネキシンVの処理に伴うホスファチジルセリンとの結合阻害確認 選別されたファージクロンのホスファチジルセリンに対する特異性を、アネキシンV(annexin V)の存在下でホスファチジルセリンに結合の可否を確認して測定した。] [0074] これを簡略に説明すれば、イムロン1Bマクロタイタープレート(Immulon IB microtiter plates)を前記実施例<1-2>に記載した通り、ホスファチジルセリンでコーティングした。その後、10mg/mlのBSAを含むTBS培地で室温で1時間ブロッキング(bloking)した。] [0075] 選別されたファージクロンを100μlTBSバッフアに入れてホスファチジルセリンでコーティングされたウェルに添加し、これを静かにゆすりながら室温で1時間放置した(incubate)。アネキシンVを添加した群では前記ファージクロンをアネキシンV蛋白質(10nM)の存在下で培養し、前記の通り、100μlTBSバッファに入れてホスファチジルセリンでコーティングされたウェルに添加し、これを静かにゆすりながら室温で1時間放置した。これをTBS-T(TBS containing 0.05% Tween-20)バッフアで6回強く洗浄して、ウェルに結合したファージをHRP(horseradish peroxidase)が結合した(-bound)anti-M13抗体(New England Biolabs) (dilution, 1:4000 in TBS-T)と室温で1時間結合させて検出した。その後、HRP基質溶液で発色反応をさせた。発色反応は2N H2SO4を添加して中断させ、マイクロプレートリーダ(microplate reader,Bio-Rad,Model 550)を利用して450nMで吸光度を測定した。] [0076] その結果、図2Dに示した通り、アネキシンVを添加した場合、本発明のペプチドのホスファチジルセリンとの結合を大きく阻害することが分かった。] [0077] <実施例4> 死滅細胞に対する結合特異性確認 <4-1>死滅細胞に対するファージクロンの結合確認 選別されたファージクロンが多様な死滅細胞(apoptotic cells)に対して、結合するか否かをファージプラク分析(phage plaque assay)を通じて調べた。H460細胞、H157細胞及びU937細胞に対してエトポシド(etoposide,50 uM,Sigma)を処理して細胞死滅又はアポプトシス(apoptosis)を誘導した。前記処理はU937細胞に対しては4時間、H460細胞及びH157細胞に対しては18時間処理した。] [0078] 死滅細胞表面にホスファチジルセリン分子が露出されたか否かを確認するために、FACS分析(fluorescence activated cell sorting analyses)を製造社の指針に従いアネキシンV(BD Biosciences社)で染色した後行った。] [0079] ファージ結合分析において、死滅細胞をPBSで洗浄した後、10mg/mlのBSAを含むDMEM培地に入れて室温で30分間前培養した。前培養された細胞に増幅されたファージライブラリ(対照群)又は選別されたファージクロンを1x109 pfuの量で入れて、静かにゆすりながら4℃で1時間培養した。結合されないファージは10mg/mlのBSAと0.05%ツイン-20(Tween-20)を含むDMEM培地で強く洗浄した。結合されたファージは室温で1mg/mlのBSAを含む1mlの0.2Mグリシン-HCl(pH 2.2)で10分間処理して溶出させた。溶出されたファージは1Mトリス-HCl(pH 9.1)で即時中和させてファージタイターを測定した。] [0080] その結果、図3A乃至図3Cに示した通り、H460細胞(図3A)、H157細胞(図3B)及びU937細胞(図3C)の表面にホスファチジルセリン分子が良く露出されていて(図(3A)乃至図(3C)右側パネル参照)、対照群として使用されたM13ファージライブラリの場合、殆ど結合せず、正常細胞に対しては本発明の選別されたファージがさほど結合しないのに比べて死滅細胞とはよく結合することが分った。] [0081] <4-2>死滅細胞に対する結合特異性確認 死滅細胞に付着されたファージのホスファチジルセリンに対する特異性はアネキシンVとの競争的阻害可否により測定した。] [0082] このために、死滅細胞をファージと共に培養する前にアネキシンV(10μM)で30分間培養した前培養群を試験に用いた。対照群はアネキシンで前培養しないものを使用し、ファージは前記実施例<4-1>に記載された通り、結合及び溶出してタイターを測定した。] [0083] 同時に、選別されたファージクロンに現れるペプチド配列、つまりCLSYYPSYCのアミノ酸配列により形成されたペプチド(50μM)で処理した群のファージタイターを測定した。未処理群及び対照群ペプチドで処理した群のファージタイターを測定した。ファージは前記実施例<4-1>に記載した通り、結合及び溶出してタイターを測定した。] [0084] その結果、図3Dに示した通り、アネキシンVで前処理した場合、ファージの結合が阻害されてファージタイターが大きく減少することが分った(左側パネル)。合成したペプチド未処理群及び対照群ペプチド処理群の場合、別段の差がないのに比べて、合成した本発明のペプチドを処理した場合、ファージの結合が阻害されてファージタイターが大きく減少することが分った(右側パネル)。] [0085] <4-3>FACS分析を通じた死滅細胞に対する本発明のペプチドの結合確認 死滅細胞のホスファチジルセリンに本発明のペプチドが結合するか否かを調べるために、次のように死滅細胞を標識された本発明のペプチドで処理した後、これをFACS分析で確認した。] [0086] 本発明で使用されたペプチドはN-末端にフルオレシン(fluorescein)が結合された形態で、標準Fmoc方法により合成し、HPLC(Peptyon Co.)で分離して使用した。] [0087] 本発明のペプチドと対照群ペプチド(アミノ酸配列:NSSVDK)は最終濃度が2.5μMであり、Hepesバッフア(pH7.4,Hepes 10mM NaCl2 138mM,and with/without CaCl2)に溶解した。溶液を正常H460細胞又は死滅H460細胞(1x105 Cells/ml)に混合し、最終嵩0.5mlにして、室温で15分間培養した。前記細胞は結合バッフアで洗浄してFACSを即時行った(FACSScan, Becton Dickinson, San Jose, CA)。] [0088] その結果、図4Aに示した通り、正常細胞に本発明のペプチドを処理した場合、(左側パネル)正常細胞にペプチドは結合しなかった。死滅細胞に対照群ペプチドを処理した場合(右側パネル)、対照群ペプチドに死滅細胞は結合しなかった。しかしながら、死滅細胞に本発明のペプチドを処理した場合、本発明のペプチドが死滅細胞とよく結合することが分った。] [0089] <4-4>免疫組織化学法を利用した死滅細胞に対する本発明のペプチドの結合確認 H460細胞をチャンバスライド(Nalgen Nunc Int.)で培養し、前記実施例<4-1>に記載した通り、アポプトシスを誘導した。死滅細胞をPBSで洗浄した後、タイロード緩衝液(tyrodes buffer)で10μMのフルオレシンで標識されたペプチドと、室温で30分間培養した。その後、これらの細胞をアネキシンVアレキサ粉末594(annexin V Alexa fluor 594, Molecular Probes社)で室温で15分間培養した。細胞をPBSで洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで5分間固定した。以降、核染色剤である46-ジアミジノ-2-フェニルインドール(4,6-diamidino-2-phenylindole,DAPI)で対応染色(counterstatin)した後、マウンティング液(Molecular Probes社)で処理し、蛍光顕微鏡(Zeiss, Oberkochen, Germany)で撮影した。] [0090] その結果、図4Bに示した通り、正常細胞に本発明のペプチド又はアネキシンVを処理した場合、標識がされず(下段パネル)、死滅細胞に対照群ペプチド又はアネキシンVを処理した場合、アネキシンVで処理した場合にのみ標識がなされた(中段パネル)。これに比べて死滅細胞に本発明のペプチド又はアネキシンVを処理した場合、両場合全てにおいて標識がなされ、コンピュータプログラムを利用して両方の写真を撮影した結果、本発明のペプチドとアネキシンVが互いに同一な部位に結合することが分った(上段パネル)。] [0091] さらに、図4Cに示した通り、レーザー共焦点顕微鏡(LEICA社)を利用して映像を撮影した場合、死滅細胞に本発明のペプチド又はアネキシンVを処理した場合、本発明のペプチドとアネキシンVが互いに同一な部位に結合することがより正確に分った。] [0092] <実施例5> 本発明のペプチドの生体内誘導(in vivo homing)及び映像化 <5-1>本発明のペプチドの生体内誘導及び映像化 全ての動物実験は国立慶北大学校のガイドライン(Guidelines)により行った。腫瘍移植(tumor xenografts)をするために、6週令BALB/c雄ヌードマウス(SLC, Inc.)に10%FBSを含むRPMI培地に浮遊させたH460細胞(1x107細胞)を右側の肩の部位に皮下注射した。その後、3週間腫瘍細胞が0.5乃至1cmの大きさに成長するようにした。 腫瘍細胞を有しているマウスをそれぞれカンフトテシン処理群及び未処理群に分けた後、カンフトテシン処理群にはペプチド処理24時間前に1回分のカンフトテシン(Sigma,10mg/kg)を処理した。その後、それぞれのマウスにフルオレシンで標識した本発明のペプチド(fluorescein-labeled CLSYYPSYC)又は対照群ペプチド(それぞれ50μM)をイソフルラン麻酔(isoflurane anesthesia)下で尻尾の静脈を通じて投入した。腫瘍に誘導されるペプチドはペプチド投入後、それぞれの時間の間に470nM/GFPフィルターを使用して光学映像化システム(ARTAdvanced Reseach Technologies Inc.,Montreal,Canada)で観察した。使用されたそれぞれのマウスに対して、フルオレシンの基底数値(baseline fluorescence)はペプチドの注入前に測定した。得られた映像はexplore Optix optivew Softwareを使用して処理され、標準化された(normalize)。腫瘍組織の生体外(ex vivo)映像化はペプチド投入2時間後マウスから腫瘍を除去した後行い、その映像は前記の通り処理された。] [0093] 腫瘍組織に対する生体内誘導確認結果より、図5Aに示した通り、本発明のペプチドが処理された群において、フルオレシンで標識した本発明のペプチドの信号が腫瘍組織から2時間目から強く測定されたものの、本発明のペプチドを処理しないか若しくは対照群ペプチドを処理した場合、フルオレシン信号が微弱に検出されるか又は殆ど検出されないことが分かった。] [0094] 同時に、腫瘍組織に対する生体外映像化結果より、図5Bに示した通り、前記の通り本発明のペプチドが処理された群では、腫瘍組織からフルオレシン信号が強く測定されたものの、本発明のペプチドを処理しないか又は対照群ペプチドを処理した場合、フルオレシン信号が微弱に検出されるか又は殆ど検出されないことが分った。] [0095] <5-2>組織学的試験を通じた本発明のペプチドの生体内誘導確認 組織学的試験のために、前記マウスを麻酔した後開腹した。心臓を通じてPBS及び4%paraformaldahyde(PFA)固定液を灌流させ、腫瘍組織及び器官を除去した。各組織を凍結切断(Cryosections)して蛍光顕微鏡法(fluorescence microscopy)により、本発明のペプチドを観察した。腫瘍血管(tumor vessles)はマウスCD31に対する抗体(BD Pharmigen)及びアレキサ568(alexa 568)で標識された2次抗体を利用して免疫組織化学法(immunohistochemistry)で染色した。腫瘍組織における細胞死滅は製造社(Chemicon Int.USA)の指針に従い、TUNEL(in vitro terminal deoxynucleotidyl transferase-mediated dUTP nick-end labeling)分析法で確認した。] [0096] その結果、図6に示した通り、本発明のペプチドを処理した場合、腫瘍組織においてCD31により染色された部位から多量に本発明のペプチドが観察されるものの(上段パネル)、対照群ペプチドを処理した場合、殆ど観察されないことが分った(中段パネル)。一方、対照群器官として肝臓(liver)及び肺臓(lung)の組織では本発明のペプチドが観察されず、ただ、腎臓(kidney)の場合、ペプチドが小便を通じて排泄されることから、尿排泄経路にあるペプチドによる蛍光が観察された(下段パネル)。] [0097] 同時に、TUNEL分析結果より、図6Bに示した通り、本発明のペプチド蛍光信号がTUNEL染色がなされる部位、つまり、細胞死滅が起こる部位で多量に確認されることが分った。] 実施例 [0098] 以上察した通り、本発明のペプチドはホスファチジルセリンと特異的に結合できる。従って、本発明のペプチドはホスファチジルセリンの検出、さらには、ホスファチジルセリンを細胞表面に発現する死滅細胞及び腫瘍細胞の検出又は映像化等に多様に使用し得る。]
权利要求:
請求項1 配列番号1で表示されるアミノ酸配列を有し、ホスファチジルセリンと特異的に結合するポリペプチド。 請求項2 第1項のポリペプチドを暗号化する塩基配列を有するポリヌクレオチド。 請求項3 第2項のポリヌクレオチドを含むベクター。 請求項4 第3項のベクターで形質転換された形質転換体。 請求項5 第1項のポリペプチドを有効成分として含むホスファチジルセリン検出用組成物。 請求項6 前記ポリペプチドは発色酵素、放射性同位元素、クロモホア(chromophore)、発光物質及び蛍光物質(fluorescer)からなる群より選ばれる一つで標識されることを特徴とする第5項記載の組成物。 請求項7 (a)第1項のポリペプチドを試料と混合する段階;(b)未結合又は非特異的に結合された前記ポリペプチドを除去する段階;及び(c)前記ポリペプチドの結合可否及び位置を確認する段階を含むホスファチジルセリンの検出方法。 請求項8 第1項のポリペプチドを有効成分として含む死滅細胞(apoptoticcell)検出用組成物。 請求項9 第1項のポリペプチドを有効成分として含む薬物伝達用組成物。 請求項10 前記組成物は、腫瘍性疾患に特異的なものであることを特徴とする第9項記載の組成物。 請求項11 前記腫瘍性疾患は大腸癌、肺癌、胃癌、食道癌、膵臓癌、胆嚢癌、腎臓癌、膀胱癌、前立腺癌、睾丸癌、子宮頸部癌、子宮内膜癌、絨毛癌、卵巣癌、乳房癌、甲状腺癌、脳癌、頭頚部癌、悪性黒色腫、皮膚癌、肝臓癌、白血病(leukemia)、リンパ腫(lymphoma)、複合骨髄腫(multiplemyeloma)、慢性骨髄性白血病(chronicmyelogenousleukemia)、神経芽腫(neuroblastoma)、再生不良性貧血からなる群より選ばれたことを特徴とする第10項記載の組成物。 請求項12 前記ポリペプチドはパクリタキセル、トキソルビシン、ビンクリスチン、ダウノルビシン(daunorubicin)、ビンブラスチン(vinblastine)、アクチノマイシン-D(actinomycin-D)、ドセタキセル(docetaxel)、エトポサイド(etoposide)、テニポサイド(teniposide)、ビサントレン(bisantyene)、ホモハリントニン(homoharringtonine)、グリベック(Gleevec;STI-571)、シスプラチン(cisplatin)、5-フルオウラシル(5-fluouracil)、アドリアマイシン(adriamycin)、メトトレキセート(methotrexate)、ブスルファン(busulfan)、クロラムブシル(chlorambucil)、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、メルファラン(melphalan)、ニトロゲンムスタード(nitrogenmustard)、ニトロソウレア(nitrosourea)、からなる群より選ばれた抗腫瘍性疾患製剤と結合されたことを特徴とする第9項記載の組成物。 請求項13 第1項のポリペプチド及びこれと結合された抗腫瘍性疾患製剤を有効成分として含む腫瘍性疾患の予防及び治療用薬学的組成物。 請求項14 前記抗腫瘍性疾患製剤はパクリタキセル、トキソルビシン、ビンクリスチン、ダウノルビシン(daunorubicin)、ビンブラスチン(vinblastine)、アクチノマイシン-D(actinomycin-D)、ドセタキセル(docetaxel)、エトポサイド(etoposide)、テニポサイド(teniposide)、ビサントレン(bisantyene)、ホモハリントニン(homoharringtonine)、グリベック(Gleevec;STI-571)、シスプラチン(cisplatin)、5-フルオウラシル(5-fluouracil)、アドリアマイシン(adriamycin)、メトトレキセート(methotrexate)、ブスルファン(busulfan)、クロラムブシル(chlorambucil)、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、メルファラン(melphalan)、ニトロゲンムスタード(nitrogenmustard)、ニトロソウレア(nitrosourea)からなる群より選ばれたことを特徴とする第13項記載の組成物。 請求項15 第1項のポリペプチドを有効成分として含む腫瘍性疾患部位の映像化用組成物。 請求項16 前記ポリペプチドは発色酵素、放射性同位元素、クロモポア(chromophore)、発光物質、蛍光物質、常磁性粒子(superparamagneticparticles)及び超常磁性粒子(ultrasuperparamagneticparticles)からなる群より選ばれる一つで標識されることを特徴とする第15項記載の組成物。 請求項17 第1項のポリペプチドを有効成分として含むスコット症候群(Scottsyndrome)、抗リン脂質症候群(antiphospholipidsyndrome)、鎌状赤血球貧血性(sicklecellanemia)、サラセミア(thalathemia)、ストマトサイトシス(stomatocytosis)、尿毒症(uremia)、腎臓結石(Kidneystonedisease)、糖尿病(diabctes)、高血糖症(hyperglycemia)、ウィルス感染及び微生物感染、マラリア(malaria)、子癇前症(pre-eclampsia)、高ビリルビン血症(hyperbilirubincmia)、新生物腫瘍(neoplasia)からなる群より選ばれた疾患の診断用組成物。 請求項18 ホスファチジルセリン検出のための第1項のポリペプチドの用途。 請求項19 死滅細胞(apoptoticcell)検出のための第1項のポリペプチドの用途。 請求項20 薬物伝達のための第1項のポリペプチドの用途。 請求項21 腫瘍性疾患治療剤の製造のための第1項のポリペプチド及びこれと結合された抗腫瘍性疾患製剤の用途。 請求項22 腫瘍性疾患部位の映像化のための第1項のポリペプチドの用途。 請求項23 スコット症候群(Scottsyndrome)、抗リン脂質症候群(antiphospholipidsyndrome)、鎌状赤血球貧血性(sicklecellanemia)、サラセミア(thalathemia)、ストマトサイトシス(stomatocytosis)、尿毒症(uremia)、腎臓結石(Kidneystonedisease)、糖尿病(diabctes)、高血糖症(hyperglycemia)、ウィルス感染及び微生物感染、マラリア(malaria)、子癇前症(pre-eclampsia)、高ビリルビン血症(hyperbilirubincmia)、新生物腫瘍(neoplasia)からなる群より選ばれた疾患の診断のための第1項のポリペプチドの用途。
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